かまぼこの原料魚
かまぼこが掲載されている日本最古の文献、類聚雑要抄に関白右大臣が京都東三條におもどりになった時の祝宴の膳の料理が絵になって残っています。 この文献は1115年(永久3年)つまり、平安時代後期に書かれています。 かまぼこが料理の1つに描かれていますが、現在の竹ちくわに近い形です。 その頃、右大臣ともなると非常に高級なものを食べていたようで、今で言うところの刺身(薄造りに近い?)がたくさん並べられていることから、ずいぶんとお酒がすすんだことだろうと想像しています。 原料については、当時はタイやハモなどを使っていたようですが、それから400年ほどの室町時代の宋五大双紙には”かまぼこはなまず本なり、蒲の穂ににせたるものなり”と書かれていて、当時はなまずを使ってかまぼこ造りをしていたようです。
しかし、江戸時代前期の料理物語では、かまぼこの原料は、たい、はも、たこ、いか、かれい、えび、こち、あじ、みょうきち(=ぼら)、くずな(=あま鯛)、他にも川魚のなまず、みごい、しゃけと非常に広範囲の魚になっています。 さらに江戸時代中期には本朝食鑑の中で”なまずで作ったかまぼこは品質も余りよくないし品がない。ハレの席に出すべきではない...”というようなことが書かれており、どうも、なまずの蒲は美味しくなかったようです。
現在では、日本のかまぼこの原料となる魚肉スリミは国内の近海漁だけでなく、アメリカ海域、ロシア海域、南アメリカ、ニュージランド、タイ、インド、ベトナム、マレーシア、中国、ヨーロッパなど、世界中で生産されるようになりました。 従って、その魚種もスケソウダラだけでなく、南ダラ、ホキ、イトヨリ、キントキダイ、グチ、タチ、ホッケ、アジ、ヘイクなど多種多様になってきています。かまぼこの中でもカニ風味かまぼこは世界中で食べられるようになり、そのかまぼこ工場も日本だけでなく世界に広がってきています。 最近、BSE問題や鳥インフルエンザなどの問題から、魚食が注目を浴びており、かまぼこも魚の加工品であることから、徐々に需要が増えてきています。
舞鶴では、かまぼこには最も適しているといわれている白グチという魚を鮮魚で仕入れて加工し、上級品にはそのすりみを4割以上配合して”舞鶴かまぼこ”の特徴を出しています。
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