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2007年8月21日 (火)

懸賞論文 その3

(前号より続く)

平成12年度全国商工中金の懸賞論文(組合の活性化をテーマにしたもの)に私が応募して見事、金賞に輝いた論文の一節である。

組合職員の起業家精神..... 販売事業をつくる。

まず、 昭和 50 年初期に事業が全盛だったころから、 やや前売りにかげりが出はじめた。 それは、 販売不振と、 従来顧客である零細小売店、 行商の衰退であった。
従来型の中小零細の組合員には、 余分に営業マンを雇用してまで、 会社を運営してゆくような気もなく、 昭和 50 年中頃になっても、 「美味しいものさえ造っとればそのうち売れるんだ」 という組合員の理念は変わらなかった。
しかし、 このままでは将来が危ぶまれると危機感を抱いた職員は、 組合員が行ったことのない都市部や組織に向かって自発的に営業をはじめたのである。
当時は 「職員は要らん仕事はしなくていい。 組合員にいかに安く原料を仕入れるかを考えていたらいいんだ」 という意見も強く、 舞鶴蒲鉾の為に一肌脱いでやろうという青年職員の志は多くの逆風に遮られたこともあった。
本当に最初は要らぬ仕事かもしれないと思うほど、 経費の割りに物が売れなかった。 しかし、 販売不振の中で、 時代の変わり目を感じた組合員もやがて出はじめ、 応援する組合員も徐々にではあるが、 増えてきた。
営業経験もなく、 市場の組織もなにも知らない職員が営業をしていったということで、 職員にとっては全てが勉強であり、 ゼロから出発した組合員の商品販売斡旋..... も、 紆余曲折があったが、 現在では1億円を超える事業になり、 次は数年内に2億円を狙っていけるようになった。
組合であるから、 組合員の商品の買い取り額に不平等が出たりして、 一部の組合員から非難を受ける場面もあったが、 結果的には、 どの組合員の商品であろうが売上げを増やすことが、 組合事業の活性化につながり、 ひいては組合員すべてに利益をもたらすということを信じて進んできたのがよかったのである。
また、 依然、 組合の柱となる業務が購買事業、 つまり、 共同仕入業務が主であった組合職員の意識変化も大きかった。
買いたたく、 仕入先を軽くあしらう.... 売ってやっている... などの態度は、 自らが営業に出て、 物を売り、 買っていただくという喜びと苦しみの中で、 洗い流されていった。
以来、 当組合の職員は入社するとまず販売事業の仕事から始めさせることにした....... 売る苦しみ、 買っていただくありがたさを身につけさせたい思いがあるからである。
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