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2017年2月 3日 (金)

かまぼこ900年の歴史   かまぼこ百科㊹

 かまぼこが初めて我が国の文献に登場したのは西暦1115年、関白右大臣の祝宴の膳に挿絵入りで登場していることは、このシリーズの最初の投稿で述べた。

 つまりそれから数えても、今年はちょうど900年目にあたるわけである。 おそらく文献に出る少し前には、世の中に“かまぼこ”が登場していたと思われるので、想像するに1000年近く前に日本人が発明し、日本人が食べ続けてきた加工食品ということができる。

 さて、日本の伝統食品の代表格といえば、かまぼこの他に、味噌、納豆、豆腐などといったものがあるが、味噌そのものの発祥は中国であり、実際いつごろ日本に伝わってきたのかということは、諸説ありはっきりしないそうである。

 しかし、巷の間で、味噌汁が広まったのは西暦1400年ごろであると言われているので、それから数えて615年目ということになる。

 また、現在、我々が普通に食べている糸ひき納豆は、できたのが西暦1500年頃といわれているので、今年で515年ということになるそうである。

 豆腐については、西暦1183年の奈良の春日大社の神主さんの日記にはじめて登場していることから数えても今年が832年目ということになる。

 こうした日本の他の伝統食品と比較しても、かまぼこがいかに古い歴史をもっているかがおわかりいただけると思う。

 現在、かまぼこがはじめて文献に登場してから900年の今年は、かまぼこ組合の全国組織である全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会(略して全蒲と呼んでいる)では、かまぼこ900年のお祝いと感謝の意味を含めた色んな催しを全国で実施するように呼び掛けている。 かまぼことちくわのキャラクターである“かまぴー”と“ちっくる”をあしらったピンバッチなども作り、全国のかまぼこ関係者がそれを身につけて、話題性を広げていこうというようなことも実施している。

 ここ舞鶴でも、今年は、いろんなイベントを実施する中で、“かまぼこ900年”を祝して、長く続いてきたご愛顧に感謝をしていかねばいけないと考えている。

 現在発見されているかまぼこが掲載された最古の文献「類聚雑要抄」には、図の中にさしみのようなものもたくさん見られる事から、当時の海の魚である“タイ”や“ヒラメ”といった魚が海水容器詰めで、川を伝って京の都に運び込まれていたのではないかと想像することができる。

 古くは、かまぼこの原料も、海水魚だけでなく、淡水魚である鯉、ナマズなども使われていたようであるが、淡水魚を使わずに、こうした海水魚が原料として使われるようになると、かまぼこの味や品質も格段の向上が見られたのではないかと想像する。

 京都の祇園祭の時期に欠かせないハモ料理も、海のない京都市内で生きのよい魚を食べるためには、ハモのような生命力の強い魚に依存していた伝統が残されているからかもしれない。 今年、全蒲では、かまぼこの登場した最古の文献の舞台となった

古都、京都において、老舗料理店のご協力を得て、当時のかまぼこ

や料理を再現しようという計画もたてているようである。

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