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2017年2月 3日 (金)

ブラックバスでかまぼこを世界で初めて作った人  かまぼこ百科⑳

 1992年というから今から20年以上も前、滋賀県琵琶湖のブラックバスなどの外来魚の繁殖により、滋賀県の特産である「ふな寿司」などの名産に使うニゴロブナや、琵琶湖の佃煮の原料であるモロコやゴリなどが消えてしまうのではないかと大問題になったことがあった。

 そこで、琵琶湖からブラックバスを撲滅することに国から補助金がついたので、漁師さんがいっせいにブラックバス捕獲しはじめたことがあった。

しかしながら、漁獲したブラックバスがどんどんと増えてくると、廃棄処分も間に合わず、保管する場所にも困るようになり、大量のブラックバスの活用方法を早急に考えなければならなくなっていた。 当時、ブラックバスの利用法として、フランス料理に使ったり、から揚げにしたりといった料理法が考えられていたが、それだけでは、とても大量のブラックバスを消化することができなかった。

当時、滋賀県の食品技術アドバイザーをしておられた日本食品開発研究所の故太田博士が、直営のすりみ工場を持っている舞鶴かまぼこ組合に目をつけられ、ブラックバスをすりみにしてかまぼこにすることができれば、毎日、数トンもの原料が消化できると考えられ、当時、太田博士と親しくしていた私に研究を依頼してこられたのであった。

 ブラックバスは、スズキの仲間でもあり、肉食の白身魚でもある。 内臓はにおいがきついが、内臓を除去して水洗いをすると、さほど強烈な臭いもせず、淡水魚にしては淡白であるがうまみがあることもわかった。 ただ、実験の結果、弾力面では、高級品への使用が難しいので、当時は試験的にちくわやてんぷらに一部使用してみる実験を続けていた。

 50センチを越える丸々としたブラックバスを当時、食通であった故嶋田正男前理事長が持ち帰られ、家で“あらい”にして食べられたが、美味しかったとの感想を聞いたことがあった。

 ブラックバスは、弾力等では、北海道の陸上すりみ(スケソウダラ)クラスの成績を示していたので、価格さえ折り合えば、長期の使用は可能であると判断した。

 使用実験を数ヶ月おこなって、実際に製品化していたが、実験が終了するころに、国の補助金が打ち切られたため、当時の滋賀県の沖島漁協からは、新鮮なブラックバスが届けられることはなくなった。

 したがって、ブラックバスで煉製品を作るプロジェクトはその時点で終了してしまったわけであるが、実験室レベルでは、何度か板についたかまぼこを試作していたので、おそらく世界ではじめてブラックバスでかまぼこ作りをしたのは私ではないかと自負している。 当時、ブラックバスについては、ルアーフィッシングが最盛期の頃であり、わたしも、まだ幼かった息子とよく琵琶湖へバス釣りに出かけたものである。

 当時はキャッチ&リリースが認められてたので、ちいさなブラックバスを生きたまま持ち帰り、家で飼育していた。1992年あたりから10年にわたるブラックバス飼育記録は、わたしの個人運営サイト「舞鶴生き物研究所」http://maizuru-k.com/ikimono/ に今でも残している。<< ※現在は、ブラックバスを勝手に持ち帰り、飼育することは禁じられている。>>

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