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2017年2月 3日 (金)

かまぼこを冷凍してはいけない理由   かまぼこ百科㉚

 基本的に、家庭の冷蔵庫についている冷凍保管庫で保管することは避けてほしいと思う。 家庭用のものでは凍結速度が遅くて、組織内部で大きな氷の結晶ができて、その氷の結晶が大きくなって組織を破壊し、解凍したときに水を組織内に吸収しきれなくなり、大量のドリップを吐き出し、かまぼこがスポンジ化するからである。 

かまぼこの凍結点は水分や、砂糖含量によって違うが、だいたいマイナス4℃からマイナス7℃くらいである。

マイナス10℃になれば、かまぼこの水のほとんどが氷に変わる。

マイナス10℃までの冷凍速度が急速であればあるほど、かまぼこ内にできる氷の結晶が小さい状態で凍り、解凍したときのドリップを少なくすることができる。

しかし、かまぼこのように肉厚の製品を超急速凍結すると、かまぼこの表面がひび割れし、場合によってはかまぼこ全体が割れてしまいう。

 水が氷に変わる際にはその体積が約8.7%膨張するので、かまぼこを凍結するとその体積が増加する。 超急速凍結するとかまぼこ表面が瞬間的に凍って、氷の非常に固い殻ができてしまう。 表面の氷の殻が内部が凍って体積膨張するのを抑えるので、かまぼこ内部に大きな圧力が発生してしまうことになる。

表面の氷の殻がその圧力に耐えられないで壊れると、かまぼこ表面にひびが入るのである。

ひび割れ防止には中心温度がマイナス10℃になったら凍結を止め、マイナス15℃付近の低温に置いて内部温度を平均化する。そうすると、かまぼこ表面の冷気が内部に伝わって表面と内部の温度差が小さくなるので内圧が大きくならず、ひび割れしないのである。

いったん冷凍したかまぼこは、一般の食品と同様に、貯蔵温度が低いほど品質の低下は遅いのである。したがって、保管温度は低ければ低いほどよい。かまぼこの足の弱いものほど、貯蔵期間のドリップの比率は高く、弾力が低下してスポンジ化が進みやすくなる。 また、みりんをたくさん入れたかまぼこは冷凍期間が長いと保存中に、みりんの中のブドウ糖とアミノ酸やタンパク質が低温でも反応して、化学反応をおこして、全体が褐色化していく場合もある)

かまぼこを急速冷凍するためには、その設備に莫大な資金がかかることもあり、舞鶴では生産者がかまぼこを冷凍することはないが、小田原地区のように、年末の首都圏の膨大な需要にこたえるために、かまぼこを冷凍貯蔵して、需要が多いときに解凍して出荷する技術とノウハウを持っている地域もある。

冷凍するのにも、そこに難しいノウハウが必要になってくる。 まして家庭用の冷凍庫のような緩慢な冷凍条件では、かまぼこの品質を維持することは不可能である。

ちくわ、てんぷらなどの比較的厚みのない練り製品については、冷凍による品質劣化はかまぼこと比べると少ないのだが、劣化が無いとは言えないので、美味しく召し上がっていただくためには冷凍はしないほうがよいだろう。

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