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2017年2月 3日 (金)

舞鶴市民に愛されているかまぼこ   かまぼこ百科㉖

かまぼこ百科 No26  舞鶴市民に愛されている「かまぼこ」

 

総務庁統計局の家計調査の一世帯あたりの練製品の年間支出金額(1997年調査)で、都道府県庁所在地別では多いところは仙台、長崎、山口、松江、高知、松山、和歌山、富山などの順番になっていた。
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番目の仙台を除けば、上位はすべて西日本の都市がしめており、西高東低のかまぼこの消費傾向がはっきりとしている。 品目別でみると、揚げ蒲鉾(天ぷら、さつまあげ)では鹿児島が一番多く、高知、高松、大阪、和歌山など太平洋側で多いようである。 ちくわは鳥取が群を抜いて多く、徳島、松山、佐賀、熊本と続く。 かまぼこは笹かまで有名な仙台が1位で、次いで富山、長崎、松江で消費が多いようである。 京都府は残念ながらランキング上位には位置していない。

だが、舞鶴市だけを調査した結果、驚くべきことがわかった。

平成22年に舞鶴蒲鉾協同組合が詳細な統計調査した資料によると、舞鶴市民が舞鶴かまぼこ(天ぷら、ちくわを含む)を消費している金額は、年間で1世帯あたり13,838円であった。

全国平均で、同年の一世帯あたりのかまぼこ類への年間支出金額は8,941円となっていることを考えると、この数字は驚異的であり、舞鶴市民がいかに舞鶴かまぼこを購入しているかが、数字の上でも明確になったわけである。

他に舞鶴以外の煉製品も消費されていることを考えると、舞鶴市民は他の地域では考えられないほどに、煉製品、特に舞鶴のかまぼこが大好きなのである。

もちろん、この金額は、一般に小売店で買って一家のおかずとして消費するものと、中元、歳暮などを中心に遠く離れた家族、親戚、知人などに贈られているものなどを合算したものである。

 このことからも、家庭で消費するものの他に、市民が外部へ舞鶴名産品として発送したり、持って出たりする量も無視できないほど多いということが想像できる。

そう考えると、市民の舞鶴かまぼこに対する愛情と支援は非常にありがたいものであり、生産者としては品質で市民を裏切るようなことは決してしてはいけないのだということをあらためて痛切に感じるのである。

 舞鶴市内には、ピーク時には30軒近いかまぼこ屋さんがあったというが、現在操業しているのは舞鶴かまぼこ協同組合の傘下組合員企業5社(嶋七、髙作、藤六、嶋岩、丸海)のみとなってしまっている。

 しかし、少なくなったとはいえ、少数精鋭で、残った組合員企業は伝統の技術を継承する強い意思を持って、互いに切磋琢磨努力をする一方、舞鶴かまぼこ協同組合という組織を仲立ちとしながらも、非常に仲よく活動をし、月に数回集まり、情報交換をおこなったり、組合随一の酒飲みで知られる私を中心としたノミニケーションをおこなったりしており、『わが社さえよければ……』というような経営者が一人もおらず、共存共栄に腐心しているのも唯一の強みである。 舞鶴市では『舞鶴かまぼこ』が第一号の地域ブランド産品の認定を特許庁から受けることができたのも、そのあたりに原因があるのかもしれない

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